時を愛し、優しい時間を紡ぐ職人

時を愛し、優しさを紡ぐ職人


カチカチと音を鳴らして私たちを時間の枷へと縛り付ける、秒針を忙しく刻み続ける時計たち。

この場所には、そんな忙しく時を刻む時計はひとつもありません。

工房名となっている「Polvere di Tempo」は、
イタリア語で ❝時間のカケラ❞ の意味を持ちます。

私たちがいつだって人生の中で探し続ける散りばめられた「時間」こそが、
アドリアン職人が商品に込める私たちへ伝えたい想いでもあるのです。

君たちは、いつだって自分自身が望む何かを探し続けなければいけないよ。
それは他の誰かがお金で買って手に入れてしまっている「何か」ではなくてね。

アドリアン・ロドリゲス・コッツァーニ

 

心が動き出す、小さな時間の魔法

ー1976年。
アルゼンチン出身の建築家アドリアン・ロドリゲス氏は、
旅行者のひとりとしてローマを訪れていました。

市内を横切るように流れるテヴェレ川を望む、
トラステヴェレ地区。

古き良き時代のローマの風景が今も残り、
活気あふれる美しい下町と呼ばれる場所へと足を延ばしました。

その地区へ一歩足を踏み入れた時、
アドリアン氏の心は魔法にかかったよう一瞬にして魅了されてしまったと言います。

あれから約30年以上の時が経ち、
トラステヴェレ最後の職人工房と言われるこの場所から、
アドリアン職人は今もローマの街を静かに眺めています。

背が高くエレガントで物静かな佇まい、
紳士という言葉が良く似合うアドリアン職人。

彼の口から紡がれる言葉たちは偉大な哲学者か詩人の台詞のようでもあり、
素晴らしい才能を秘めた魅力的な人物として訪れる人々の心を魅了します。

知性溢れる話題を、得意とする様々な語学でのコミュニケーション力。
アドリアン職人とのお喋りは、いつも工房を訪れるお客さんの方が興味深く聞き入ります。

ウィットに富んだユーモア溢れる会話が得意な職人は、
いつだって世界中から訪れるゲストたちの人気者です。

 

 

自分にとって「本当に価値ある何か」を見つけること

「お金を得るために費やす時間ではなくて、我々は自分のためにある ❝本当の時間❞ を探す努力をしなければいけないね」

 

たくさんの時間を持っている人こそ本当に豊かな人生を送る人々であり、
追われることない「時」を楽しむことこそが、
人としてのを誇りであるとアドリアン職人は言います。

彼の情熱のすべては「時」という不思議な存在に傾けられており、
その原点にある「時間」という概念は、
彼自信にとってあまりにもミステリアスなものであったと言います。

ある新聞記事のインタビューでは、新聞記者が彼にこう尋ねました。

―――― このお店の中で「一番価値のあるもの」 は何でしょうか?

アドリアン氏は、短く新聞記者へ「尊厳」とだけ答えました。

お金では買えない「 尊厳ある時間 」こそが、
彼にとって何にも代えがたい最高の価値のあるものなのです。

ミステリアスでロマンチックな世界の中、いつまでも時を紡ぐ人

建築家として仕事をしていたアドリアン氏は、
かつて訪れたミラノの博物館で「時」にまつわるオブジェと出会いました。

その時、湧き上がるように大きく心の奥が揺さぶられたと言います。

「この素晴らしいオブジェたちを自分の手で創り出したい」

この瞬間から職人としての道を今も歩み続ける、建築家アドリアン・ロドリゲス氏。

ひとつひとつに想いのかけらを注ぎ込みながら、
下町の小さな職人工房でアイデアと情熱を込めて創り上げるのは、
「時」をテーマとしたロマンチックなアイテム。

アドリアン氏の素晴らしい物語が、今もずっと終わることなく始まり続けています。

緑色の木枠が美しいガラス扉を開いた時、どこか懐かしい時の流れに誰もが身を委ねます。
遠い国の不思議なおとぎ話の世界へと、静かに足を踏み入れてしまったかのような世界が広がります。

建築家アドリアン・ロドリゲス氏は、自らを「時の職人」と呼びます。

そんな誰よりも ❝時を愛する職人❞ は、
ロマン溢れるトラステヴェレの小さな職人工房で、今日も「時間のかけら」を紡いでゆきます。

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