※工房クローズのため、現在商品のお取り扱いは中止となっております。
君たちは、いつだって自分自身が望む何かを探し続けなければいけないよ。
アドリアン・ロドリゲスa
それは他の誰かがお金で買って手に入れてしまっている「何か」ではなくてね。
■時を愛し、優しさを紡ぐ職人
カチカチと音を鳴らして私たちを時間の枷へと縛り付ける、秒針を忙しく刻み続ける時計たち。この場所には、そんな忙しく時を刻む時計はひとつもありません。
工房名となっている「Polvere di Tempo」は、イタリア語で時間のカケラの意味を持ちます。
私たちがいつだって人生の中で探し続ける散りばめられた「時間」というが概念。
それこそが、アドリアン職人が商品に込める私たちへ伝えたい想いでもあるのです。
心が動き出す、小さな魔法の時間
ー1976年。アルゼンチン出身の建築家アドリアン・ロドリゲス氏は、旅行者のひとりとしてローマを訪れていました。
あれから約30年以上の時が経ち、トラステヴェレ最後の職人工房と言われるこの場所から、アドリアン職人は今もローマの街を静かに眺めています。
背が高くエレガントで物静かな佇まい、紳士という言葉が良く似合うアドリアン職人。
様々な外国語でのコミュニケーションを得意とし、知性溢れる話題さえもユニークに語るアドリアン職人とのお喋りには、工房を訪れるお客さんはいつも興味深く聞き入ってしまいます。
彼の口から紡がれる言葉たちは偉大な哲学者か詩人の台詞のようでもあり、素晴らしい才能を秘めた魅力的な人物として訪れる人々の心を魅了します。
ウィットに富んだユーモア溢れる会話が得意な職人は、いつだって世界中から訪れるゲストたちの人気者です。
時に魅せられた建築家の情熱と「想い」
お金を得るために費やす時間ではなくて、我々は自分のためにある❝本当の時間❞を探す努力をしなければいけないね」。
建築家として仕事をしていたアドリアン氏は、かつて訪れたミラノの博物館で「時」にまつわるオブジェと出会いました。
「この素晴らしいオブジェたちを自分の手で創り出したい」――その時に感じた強い想いこそが、職人としての情熱の原点でした。
彼の情熱のすべては「時」という不思議な存在に傾けられ、その原点にある「時間」という概念は、彼自信にとってあまりにもミステリアスなものであったと言います。
ある新聞記事のインタビューでは、新聞記者が彼にこう尋ねました。
―――― このお店の中で「一番価値のあるもの」 は何でしょうか?
アドリアン氏は、短く新聞記者へ「尊厳」とだけ答えました。
お金では買えない「尊厳ある時間」こそが、彼にとって何にも代えがたい最高の価値のあるものだったからです。
ミステリアスと浪漫を紡ぐ「時の工房」
アドリアン職人がひとつひとつに想いのかけらを注ぎ込みながら、下町の小さな職人工房でアイデアと情熱を込めて創り上げるのは、「時」をテーマとしたロマンチックなアイテムです。
緑色の木枠が美しいガラス扉を開いた時、どこか懐かしい時の流れに誰もが身を委ねます。
遠い国の不思議なおとぎ話の世界へと、静かに足を踏み入れてしまったかのような世界が広がります。