
革製品のお手入れについて
毎日大切に使う革製品は、使う程に出る味が手に馴染んでいきます。過ごす時間と共に素敵な経年変化を楽しむことが、私たち革製品ファンの一番の醍醐味とも言えます。
そんな大切な相棒である革製品と長い時間を過ごしていくために、感謝の気持ちを込めたお手入れを定期的にしてあげましょう。
基本のケア
レザーは動物の「皮」から生まれたもの。
そのため革も乾燥しすぎると、時にひび割れを起こしてしまうことがあります。私たち人間も乾燥しないようクリームで肌に潤いを与えるように、革製品にも時々クリームなどで油分を補ってあげることが大切です。
革製品と長く大切に付き合っていくため、自宅でのお手入れには以下のようなアイテムを用意しておくのがおすすめです。
■馬毛ブラシ
表面のほこり落としや艶出しなどに活用できるブラシは、馬毛ブラシがおすすめです。馬の毛は細くて柔らかいので、革を傷つけることなくケアすることができます。

■柔らかい布
オイルやクリーム類を馴染ませてあげる時におすすめなのが、「柔らかい布」(赤ちゃんの肌着などに使われるような柔らかい綿素材のもの)です。コットン以外の素材は、布がオイルやクリームを上手に吸収してくれず、繰り返し使用するものとしては不向き。

■革用防水スプレ―
「AMEDAS」などに代表される「防水・防滴・防汚」効果のある革用品にも使える防水スプレーは、梅雨時期などに重宝します。革製品の使い初めにスプレーしておくのがおすすめ。
レザーケア用品の老舗コロニル社が出している「防水スプレー ウォーターストップ 」は、防汚効果やキズ防止、UVプロテクションなどの効果があり、靴や鞄など幅広い用途で活用できるのでおすすめです。

■お手入れ用のオイル・クリーム類
多くの人が愛用する「ラナパー」に代表される、革表面をケアするクリーム類。油膜によるキズ防止や、防水効果があるものがおすすめです。
ラナパーは天然成分由来の蜜蝋やホホバオイルなどが原材料となっているので、革製品だけではなく、家具やフローリングの艶出しなど様々な用途にも使用できます。
オイルタイプのものよりも、クリームタイプが使いやすいのでおすすめです。

気付いた時の簡単なお手入れ

布やブラシで表面の汚れを落としてあげる
いつでも気付いた時に簡単にできるケアは、帰宅時に柔らかい布または革用の馬毛ブラシで、革表面のほこりを落としてあげること。
使った後に軽くそれをするだけで、革表面のツヤがキレイに甦ってきます。時間がある時には、レザークリームを少しずつ柔らかい布に取り、円を描くように革製品に馴染ませる「基本のケア」をしてあげましょう。
気が付いた時にお手入れをしてあげることで、より長い時間を大好きな革製品と一緒に過ごすことができるようになります。
革製品のSOS、こんな時は?
■雨に濡れてしまったら・・・

雨で全体が濡れてしまった場合は、乾いたタオルなどで水気をふき取ります。
シミになってしまった場合は、全体がまだらなシミ模様となってしまわないよう、シミ部分を周囲に馴染ませるように濡らしていきます。
バッグ全体を均一にタオルなどで濡らすように馴染ませながら拭いていきましょう。
作業が終わったら、風通しの良い日陰などの場所で自然乾燥させます。その後、クリームなどで表面をケアしてあげましょう。
■目立つ濃いシミが出来てしまったら・・・

濃いシミができてしまった場合は、ぬるま湯などでタオルを濡らし、硬くしぼった状態でシミ部分を周囲と馴染ませるように叩きながら馴染ませていきます。
シミが少し目立ちにくくなります。
作業が終わったら、自然乾燥させてあげましょう。
その後、乾燥などが気になる場合はクリームなどで表面をケアしてあげます。乾燥の際にドライヤーなどは禁物です。
■革製品に衣類の色が移ってしまったら・・・

使うものはコチラ!
バッグ全体を均一にタオルなどで濡らすように馴染ませながら拭いていきましょう。
作業が終わったら、風通しの良い日陰などの場所で自然乾燥させます。その後、クリームなどで表面をケアしてあげましょう。
■傷がついてしまったら・・・

使うものはコチラ!
ブラシで丁寧に表面を磨いていきます。
次に乾いた布で表面のほこりなどを落としてあげてから、布で少しずつレザークリームを円を描くように塗りこんでいきます。
小さなキズや浅いキズの場合は、時間をかけて丁寧にブラシをかけてあげることで、キズ自体が目立たなくなり、よりツヤ感が増してきます。
■表面に粉が吹いてしまったら・・・

使うものはコチラ!
ブラシで白くなっている部分を、丁寧に払いながら軽く落としてあげます。
次に乾いた柔らかい布で白い部分が消えるまで、何度も繰り返し表面を柔らかに拭いていきます。
白くなった部分の原因である、表面に残ったロウや、過去のケアでつけ過ぎてしまっていた余分なオイルを丁寧に拭き取ることでケアできます。
乾燥などが気になる場合は、最後にクリームを布で優しく円を描くように塗りこんであげましょう。
■カビが生えてしまったら・・・・

使うものはコチラ!
- カビ拭き取り用のいらない布
- 革用カビ落とし/予防ミスト
- 馬毛ブラシ
- 柔らかい布
- トリートメントクリーム
重曹やエタノールなどを使ったお手入れの方法もありますが、革表面が色落ちしてしまったり、カビは根からしっかりと根絶しない限り発生を繰り返すので、革用カビ落としを使ったケアがおすすめです。
革製品ケアで有名なブランドが開発した、有機ヨードが主成分の除菌スプレー「M.モゥブレィ・モールドクリーナー」を使ったケアをご紹介。

作業はマスクを着用し、使用した布などはカビ胞子が付着しているので、必ず密封して捨てること!
- 屋外の風通しの良い場所で、いらなくなった布などで革表面のカビを拭き取る。
- カビが生えていた場所、または革全体にクリーナーをスプレーする。乾いた布にスプレーし、スポンジまたは布で馴染ませてもOK。
- 風通しの良い日陰などで、1週間ほど放置して自然乾燥させる。
- 自然乾燥が終わったら、馬毛ブラシでホコリを落とし、柔らかい布で円を描くようにして、少しずつクリームを革全体に馴染ませる。
- お手入れ完了!

革への毎日の小さな愛情が、
素敵な「エイジング」へと繋がります。