動物別レザーの種類と特徴|財布やバッグにおすすめの革は?
2021-09-08 2023-10-22
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財布やバッグにおすすめの革の種類は?
私たちが身近でよく知る「革」(レザー)は、動物の皮を製品として使用できるよう「革鞣し」(なめし)という加工作業をして製品化されたものです。
大まかに分けて「クロム鞣し」「タンニン鞣し」という二つの技法のうちのどちらかで革は鞣され、その工程の最終段階で行う加工の違いにより、革は私たちの知る様々な名前のレザーという製品へと生まれ変わっていきます。
では、それぞれの動物の革製品が持つ違いと特徴とはどんなものなのでしょうか?
長く使える大切な革製品を選ぶ際には、とても気になるところですよね。
今回の記事では、革(レザー)として利用される代表的な動物の種類と、それぞれの特徴をご紹介していきます。
革の種類別ガイド
鞣し工程による革の種類の違い
- 使用される動物の種類
- 「クロム」「植物タンニン」のどちらの鞣し剤で鞣されるか
- 最終段階の加工方法
どの動物の皮であっても、革鞣しの方法や仕上げ加工の違いによって、それぞれの革としての名称と種類が分類されていきます。
代表的な動物皮革のそれぞれの特徴と魅力を見ていきましょう。
■ 牛革 ■
こんな革製品に使われているよ!
鞄/バッグ/財布/野球グローブ/ベルト/家具など
成牛革
毛が全面に生えていて、汗腺も少ないため、きめ細かく滑らかな質感を持っているのが特徴。
最もポピュラーな革として、実用的に利用される代表的な革。生後2年以上の牛の革が「成牛革」と呼ばれ、一般的に牛革と言えばこの革のこと。
コラーゲン繊維がびっしりと細かに絡みながら横に走っているため、とても丈夫。世界三大レザーのうちの二つである「ブライドルレザー」「イタリアンレザー」でも使用される。
[CYPRIS公式]ブライドルレザー特集カウ・ハイド
成牛を代表するバランスが取れた革
生後約2年のメスの成牛革で、一般的には出産経験のあるメス牛のこと。
丈夫で厚いステアハイドよりもやや薄目で質は滑らか、キメはステアハイドよりも少々粗め。
ブライドルレザーは主にこの革を使い、植物タンニンで鞣される。ブライドルレザーを使用した革製品では、メンズ財布が良く知られている。
ステア・ハイド
成牛の中でも最もよく使用される革
生後3~6ヵ月以内に去勢したオスの成牛革。
生産量や利用度の高さから、一般的に牛革といえば、このステア・ハイドのことを指す。キメが細かく、ブル・ハイドよりも薄くて柔らかな質感。
丈夫で厚みがあるのが特徴。穏やかな性格のため、革にもキズが少ない。
ブル・ハイド
厚みと丈夫さに長けた耐久性のある革
生後3年以上の繁殖用のオスの成牛革。
非常に厚みがあり、キメが粗くて硬いの特徴。この年齢の牛は気性が荒いので、他の牛とのケンカで付いたキズなども多い。
厚みと丈夫さを生かして、主に靴底や業務用ベルトなどに利用される。
中~仔牛革
抜群の柔らかさと軽さを持ち、表面のキメが非常に細かくて滑らかなのが特徴。
キップ・スキン
高級素材の中でも手頃な価格が魅力
生後6ヵ月~2年以内の中牛革。
成牛革に比べてとにかく小さく軽く、細やかで美しいキメと滑らかさが特徴。カーフ・スキンよりはやや厚みがあり丈夫。
カーフ・スキンに次ぎ、希少価値のある上質な高級品として人気が高い。キズも少ない。
カーフ・スキン
表面のきめ細やかさが美しい最高級素材の革
生後6ヵ月以内の仔牛革。
薄くて軽く、キップスキンよりも更に細かいキメと滑らかさが特徴。
しなやかな質感を持ち、キズも少なく、牛革の中では希少価値がもっとも高い高級品。
■ 羊革 ■
こんな革製品に使われているよ!
衣類/帽子/ゴルフ用の手袋など
羊の種類は1000ほどあると言われており、革については年齢によって「シープ・スキン」と「ラム・スキン」の2種類に分類。
コラーゲン繊維が細かく緩いために柔らかくて軽く、肌触りはとても滑らか、高い保温効果を持つのが特徴。
シープ・スキン(成羊)
滑らかな肌触りで高級衣類に使用される革
シープは、生後1年以上の成羊。
一般的にシープスキンと呼ばれるのは、温暖な熱帯地方で育った羊「ヘアー・シープ」のことを指す。コラーゲン繊維が細かく緩いために柔らかくて軽く、肌触りはとても滑らかなのが特徴。
ラム・スキン(子羊)
抜希少価値の高い抜群の肌触りを持つ高級素材
ラムは、生後1年未満の羊。
シープスキン同様に高い断熱効果を持ち、ラムスキンはシープスキンよりも更にキメが細かいため、非常に柔らかで滑らかな質感を持つのが特徴。牛革に比べて柔らかく軽いので、革ジャン・レザージャケットとしての人気も高い。
■ 山羊革 ■
こんな革製品に使われているよ!
衣類/バッグ/財布/手袋/靴など
山羊は種類がとても多く、年齢によって「ゴート」「キッド」の2種類に分類される。独自のシボ模様が印象的な革。
ゴート・スキン(成山羊)
しなやかな弾力と耐摩耗性があり、軽さと柔らかい手触りが特徴。
ゴートは、生後半年以上の山羊。
革の構造は、キップスキン(仔牛革)と似ているが、タンパク質繊維のエラスチンが多いため弾力性があり軽い。表面に独特のシボ模様(表面にあるシワのような模様のこと)があるため、耐摩耗性に優れている。
高品質ながらも手の届く価格帯で、箔カラーなど色のバリエーションが豊富。牛革に比べるとかなり軽いので、女性が好んで使いやすい製品が多い。
キッド・スキン(子山羊)
キメが細かくしっとりとした光沢を持つのが特徴。
キッドは、生後6カ月未満の子山羊。
ゴートスキンよりも更に薄く柔らかでしなやか。ゴートスキン同様に表面に天然のシボ模様があり、耐摩耗性に優れている。生産量の極めて少ない高級品。
■ 鹿革 ■
こんな革製品に使われているよ!
衣類/手袋/武具/靴/履きものなど
ディア・スキン
丈夫で通気性と保温性に優れているのが特徴。
非常に細かい繊維が緻密に絡み合い、縦横無尽に走っている独自の皮膚構造を持っているため、他の革には見られない、しなやかで柔らかいしっとりとした手触りを持つ。
軽いながら伸縮性があり、その耐久性から日本ではかつて武具にも使用されていた。重厚ながら牛革よりも軽いので、革ジャン・レザージャケットなどのアパレル素材としても人気がある。
■ 馬革 ■
こんな革製品に使われているよ!
バッグ/ランドセル/財布/ベルト/靴など
ホース・ハイド、コ―ドバン、ポニーレザー
輝くようなツヤと、柔らかな質感を持ちせた丈夫で美しい革。
馬革は、世界三大レザーのひとつである「コードバン」でも良く知られる。名称の違いは、加工方法や使用する部位や大きさによって異なる。
丈夫さと美しさを兼ね備えた世界最高の革と称される高級素材のコードバンは、「ベンズ」と呼ばれる馬の臀部をタンニンで鞣して染色したもの。
緻密で強靭な繊維構造を持ち、キメが細かくてしなやか。その光沢の美しさこそが、コードバンの大きな特徴。一生モノのメンズ財布の素材として選ばれ、特に男性からの人気が高い。
[CYPRIS公式]コードバン特集■ 豚革 ■
こんな革製品に使われているよ!
衣類/バッグ/財布/靴など
ピッグ・スキン
耐久性と耐摩擦性に優れ、表面の模様と軽さが特徴。
毛穴から剛毛がまとまって3本ずつ生えているため、通気性に優れ、革の表面に毛穴由来のデコボコ模様があります。
飼育から鞣しまで、日本で生産可能な唯一の皮革素材。硬さもあるので、耐久性が求められる鞄の内側などにもよく利用されている。
■ ダチョウ革 ■
こんな革製品に使われているよ!
ハンドバッグ/財布/ベルトなど
オーストリッチ
耐久年数が牛革の5~10倍とも言われる丈夫さと、しなやかな軽さが魅力。
羽根を抜いた跡による、表面の水玉のように突起した「クイルマーク」と呼ばれる独自のシボが印象的。牛革よりも耐久性があり、質感はしなやかで軽い。
使う程にクイルマークがツヤが増し、水玉模様が際立つようになるのが大きな特徴。
突起「クイルマーク」は羽根のある背中の一部だけに入るため、革全体の40%部分であるクイルマークを生かした製品は特に稀少価値の高い高級品。
■ ワニ革 ■
こんな革製品に使われているよ!
ハンドバッグ/財布/ベルトなど
クロコダイル、アリゲーター、カイマン
美しいウロコ模様と光沢ある質感が、体の部位ごとに異なる高級素材の革。
名称の違いは、ワニの種類のこと。その中でも「クロコダイル」という品種のワニ革の人気が高く、多くの高級ブランドなどでも好んで使用されている。
表面に「符」(ふ)と呼ばれる鱗模様があり、体の部位の模様によって「竹符」(四角い鱗)や「玉符」(丸い鱗)といった異なる名称の模様を持つ。
「玉符」部分(脇腹あたり)は非常に柔らかく、「竹符」(顎、腹部、尻尾あたり)には硬さがある。
一度購入したら、長く使える一生モノとしての価値を十分に発揮してくれる素材。
老舗クロコダイル専門店【池田工芸】■ ヘビ革 ■
こんな革製品に使われているよ!
ハンドバッグ/財布/靴/ベルトなど
パイソン
しなやかな質感と伸縮性を持っているのが特徴。
ヘビは非常に種類が多く、「パイソン」はヘビ革は総称として呼ばれる名称のこと。表面にある、独特の美しい斑模様や鱗模様が印象的な革。
質感は薄いながらも非常に丈夫で、ヘビの種類や部位によって表面の模様の出方が大きく異なる。デザイン性の高いファッションアイテムや小物に適している。
■ 猪革 ■
こんな革製品に使われているよ!
バッグ/財布など
チンギアーレ・ペッカリー
緻密な繊維組織と野性的なシボ模様が特徴。
一般的に出回っている「チンギアーレ」は、ヨーロッパの野豚の革のことを指す。「ペッカリー」は、南米に生息するイノシシの仲間のこと。
正真正銘の本物の「猪革」は生産量の少ない高級品で、ピッグスキン(豚革)よりも毛穴が目立たず、耐久性があり摩擦にも強い。
おすすめは「タンニン鞣しのレザー」
何よりも「エイジングをしっかりと楽しみたい」という方は、どの種類の動物の革でも「植物タンニンで鞣された革」を選ぶのがおすすめです。
クロム鞣しの革はカラーバリエーションが豊富ですが、品質でいえば、世界三大レザーブランドに代表されるベジタブルタンニンレザーを使用した製品が断トツです。
長く使えるものを選ぶ際は、革の種類だけではなく、こういった部分もチェックしてみて下さいね。
【用途別まとめ】おすすめの革の種類
- 財布にオススメの革
- ●ブライドルレザー(牛革)
☞ブルームによるエイジング
●イタリアンレザー(牛革)
☞無骨で飾りのないカッコ良さ
●コードバン(馬革)
☞シルクのようなツヤ感と柔らかさ
●クロコダイル(ワニ革)
☞高級感と美しさ
●オーストリッチ(ダチョウ革)
☞表面のデザイン性と耐久性
- 鞄・ハンドバッグにオススメの革
- ●牛革全般
☞バリエーションの多さと使いやすさ
●ゴートスキン(山羊革)
☞軽さと柔らかさ
●クロコダイル(ワニ革)
☞高級感と模様の美しさ
●パイソン(ヘビ革)
☞ファッション性
●オーストリッチ(ダチョウ革)
☞表面のデザイン性と耐久性
- 革ジャン・レザージャケットにオススメの革
- ●牛革全般
☞重厚感と丈夫さ
●シープスキン(羊革)
☞軽さと柔らかさ
●ディアスキン(鹿革)
☞しなやかな丈夫さと軽さ
- 個性派ファッションにオススメの革
- ●クロコダイル(ワニ革)
●オーストリッチ(ダチョウ革)
●パイソン(ヘビ革)
イタリア熟練職人がつくるハンドメイド
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